心室中隔欠損症〜3回目コロナワクチン接種で涙した話

コロナ禍で妊娠し、コロナワクチンを打つかどうかについては悩みに悩み…最終的には夫の職場でコロナの死者が出た為に、先ずは生きる事を優先しようと1回目、2回目の接種を決めました(大袈裟に聞こえるかもしれないけど、そんな気持ちでした。)。2回目の接種翌日は子宮が痛く、よちよち歩きでしか前に進めなくなり、不安が倍増したのを覚えています。『私はともかく、産まれてくる子供に、目に見えない後遺症が現れたらどうしよう』という気持ちは出産するまで、いや、今でも拭う事は出来ず。

 

出産後、我が子の心室中隔欠損症がわかった時、

『あの時あの横断歩道で小走りしたかな』

『あれを食べたからかな』

『重い荷物を持ったからかな』

『やっぱりワクチン打ったからかな』

 

…過去の自分の行動を振り返っては責めることを日々繰り返していました。

 

その後、通院や入院を経験して、何十回とお医者さんから説明を受けて質問もして、心臓は初期に出来上がるので、ワクチンを打った頃には心臓の穴があったことは頭では理解していました。

 

それでも私の心の『あの時ああすれば虫』がチラつき、3回目接種の案内がきても中々気が進まず。とは言っても、周りでもちらほらコロナ感染を聞くようになり、満を辞して打つことに決めました。

 

予約していた駅前の小児科にて。

お医者さん『コロナのワクチンを打ってバタンと倒れたりしたことありますか?』

私『倒れたりはないのですが、2回目接種の際子宮が痛くなったのですが関連ありますか?』

お医者さん『そういう副作用は報告されていないけれど、報告されていない事項もあるので関係ないとも言いきれないです。他に聞きたいことはありますか?』

私『その様な副作用があった後、いざ出産をしたらこの子が心室中隔欠損症を持って産まれてきたのですが、関係はないですよね。』

お医者さん『打ったのはいつですか?』

私『妊娠後期です。一応、医師の友人に聞いて形成期は避けたのですけど、やっぱり敏感になっていてずっとワクチンを敬遠していました』

お医者さん『仰る通りで、心臓は初期に作られるので、ワクチンを打つ頃にはもうそこに心室中隔欠損があったのだと思います。だから心配しないで是非打ってください。手術もしたのですか?』

私『はい』

お医者さん『そうしたら、心配でしたね。お母さんも頑張りましたね。この子はきっと強い子になりますよ。じゃあ打ちますね。』

 

ワクチンの痛みのふりをして、お医者さんの優しさに涙すると同時に、ありふれた頑張りましたね、の言葉に加えて『この子はきっと強い子になりますよ』の言葉に、ふと抱えてきた痛みや心配が流れていった様な気持ちになりました。

 

きっと妊娠中にワクチンを打っても打たなくても、時期がどうでも、子供が何かしら病気を持って産まれてきたら、何かを原因に自分を責めてしまうものだと痛い程分かったこの数ヶ月。その時精一杯に考えて決めて妊娠中や手術までの日々を過ごしてきた母達の決断は、どう転んでも間違いはないはず…と頭では自分を励ましながら、もう大丈夫と笑って友人に報告するけど、やっぱりどこかずーっと辛かったのだと思う。ほんの一分の問診で心のつっかえを取り払ってくれた小児科の先生に感謝の一日。

 

帰宅して『元気になって本当に良かったね。頑張ったよ。』とぎゅっと我が子を抱きしめたのでした❤️